カンホンです。
今回はシドニー・シェルダンの『Windmills of the Gods』のレビューです。
内容としては幸せに暮らす一般人が途轍もないスケールの陰謀に巻き込まれていくという鉄板パターンで、個人的にはかなり好きでした。
興味のある方は本記事を参考に、ご自身でも是非読んでみてください。
- 英語の多読にお勧めの教材を探している
- シドニー・シェルダンの作品に興味がある
- 生きた英語を楽しく勉強したい
『Windmills of the Gods』の概要
The world is on the brink of mutual destruction between the East and the West and Mary Ashley, beautiful, talented, intelligent, has been chosen to represent America as Ambassador to Romania.
Thrust from her comforting, homely life in Kansas, she finds herself lost amongst the political turmoil in a foreign country where she is seen as the enemy and no-one is to be trusted.
Then someone starts to threaten Mary and her children.
Who can want her to leave so desperately and why?
And can Mary decide who she can trust when her life is on the line?
祖先のルーツをルーマニアに持つ主人公Maryは、地元カンザスの大学で教鞭を執りながら夫と2人の子供と幸せな生活を送っていました。
そんな彼女が思いも寄らぬことに、大統領がMaryの研究に目に留め、アメリカのルーマニア大使として彼女を任命します。
一気にセレブになったMaryでしたが、ルーマニア行きを決める前、行ってからと様々な出来事が起こり、命を脅かされる状況に。
最後に黒幕が明かされるまで気が抜けず、読者の予想を裏切る結末を迎えます。
『Windmills of the Gods』の英語多読おすすめ度
冒頭にも述べましたが、世界レベルの陰謀が渦巻くストーリー&一般人が一夜にしてセレブになる系のストーリーで個人的にはかなり楽しめました。
自分は本作品がシドニー・シェルダンの16冊目で、「こいつ怪しいな...」と大分勘が働くようになったのですが、それでも最後は裏をかかれます。
これだからシドニー・シェルダンはやめられません。
また、本書はフィクションですが、アメリカと東ヨーロッパの外交等の歴史背景に基づいた内容です。
自分自身これまで全く関心がなかった、あるいは知らなかった事に興味を持たせてくれた点でも読む価値のある一冊だったと感じました。
英語に関しては専門用語も多くないので、タダでさえ読みやすいシドニー・シェルダンの作品の中でもさらに読みやすい部類かと思います。
総じて安定した面白さで、自信を持っておすすめできる一冊です。
ピックアップ表現
以下『Windmills of the Gods』に出てくる表現で、個人的に気になったものです。
They had met before and under less clandestine circumstances, and they trusted one another because they had no choice.
clandestineは「秘密の」と言う意味ですが、悪巧み・不法な事に関する含みがあります。
‘But you don’t know anything about this woman.’
‘Except that she’s damned bright, and that we’re on the same wavelength.
wavelengthは「波長」で、on the same wavelengthは「同じ波長にある」=「考えが同じである」「息が合っている」という意味です。
参考書に載っているのは見たことあった表現ですが、実際に生の英語で使われているケースは初めて確認しました。
Two days later, President Ellison and Stanton Rogers breakfasted together.
breakfastが動詞で使われており、これも実用例を初めて見たのでピックしました。
At dinner Tim asked, ‘Dad, can I have a surf board for my birthday?’
‘Tim – I don’t want to rain on your parade, but you happen to live in Kansas.’
rain on your paradeを直訳すると「あなたのパレードに雨を降らせる」=「楽しいことに水を差す」という意味です。
ググるとネイティブ表現として沢山解説が出てきます。
The world is Dachau, and we’re all Jews.
調べてみたところ、Dachauは「ダッハウ強制収容所」というナチス・ドイツの強制収容所でした。
こう言った表現は知らないと完全に「?」です。
Mike Slade grinned. ‘He has a nice sense of humour.’
He rose and moved towards her. ‘Do you remember the day I met you and called you a perfect ten?’
How well she remembered. ‘Yes.’
‘I was wrong. Now you’re a perfect ten.’
これは想像できそうですが、perfect tenで「10点中10点満点」=「完璧」「これ以上なく素晴らしい」の意味です。
まとめ
以上、今回は『Windmills of the Gods』のレビューでした。
シドニー・シェルダン作品の例に漏れず読みやすい&面白い作品ですので、興味を持たれた方は是非挑戦してみてください。
また、個人的には2年近く続けてきたシドニー・シェルダン制覇の旅も残り2冊になりました。
その過程で得た英語表現の引き出しは、今では自分の大切な財産になっています。
今後も引き続き毎日コツコツ読むことを継続し、地道に英語力を向上させていきます。