私は26歳の時から約2年間、日本での職を離れ、アメリカはシアトルの大学院に留学をしていました。
その歳から海外に、またフルタイムで学校に行くとなるとかなりリスキーだと感じる方もいると思います。
しかし、結果的に私にとってはその留学がない今を想像できないほど、自分の人生の貴重な経験となりました。
今回はそんな私の社会人留学体験から感じたことをお伝えします。
- 社会人留学を検討中
- 現在の仕事を捨ててまで留学をするメリットが知りたい
- 自分の歳を気にして留学への一歩を踏み出せずにいる
私のアメリカ・シアトルでの社会人留学の概要
そもそもなんで仕事を辞めて留学に行ったか?
もちろん以前から漠然と海外への興味はあったものの、まあ一言で言えば、日本で公私ともにあまり上手く行かずくすぶっていたからです。
そういう奴はどこへ行っても成功しないから日本でとりあえず頑張れ的な意見もあるかと思いますが、私と同じようなモヤモヤを抱えている方、気にせずに。
私は結構ネガティブな理由ありきでの海外逃亡になりましたが、行ってない今の人生を考えられないほど沢山のものを得ることになりました。
タイミングを逃して後悔するくらいなら、行かない理由をゴタゴタ考えずとりあえず動くべきです。
昔某エージェントのキャッチコピーでもありましたが、何歳だろうが、理由は何であろうが、「留学は行ったもん勝ち」です。
行き先:シアトルの小さな社会人向け大学院
私の留学の行き先はアメリカ・シアトルにある小さな大学のMBAプログラムでした。
シアトルにはワシントン大学という名門校がありますが、私の行った学校はまったくの無名でアメリカの大学としてのネームバリューは皆無です。
しかし逆に、マイナーなおかげで学校で日本人に会う事はほぼなかったので、私が英語だけで生きる必要があったという点では良かったと思います。
ワシントン大学のようなマンモス校では日本から来ている学生・社会人がたくさんいるので、日本人と全く関わらないことが難しくなります。
(アメリカの大都市では正直ほとんどそうだと思います。)
ちなみに当初留学場所にこだわりはなく、学校やプログラムで留学地を決めましたが、シアトルを選んだことは結果的に大正解でした。
以下の記事で留学地としてのシアトルのおすすめをしていますので、是非参考にしてみてください。

学校の特徴:オンラインを積極的に取り入れた授業
私の学校では世界各地から留学生が来ている他、オンラインを積極的に取り入れた非常にフレキシブルなプログラムが展開されていました。
そのため、働きながら通っているローカルの学生は多かったです。
私の授業も半分くらいはオンラインで、あまり授業を詰め込んでいなかったので、キャンパスに行く必要があるのは週2コマ程度でした。
また、オンラインでの授業が多かったことにより、他の学校に比べ費用が抑えられるという大きなメリットもありました。
学生のレベル
留学生のレベルは正直まちまちで、こいつ大丈夫か?という学生もいれば、抜群に優秀で、明確な理由からこの大学を選んだという生徒も多かったです。
ローカルの学生は、Boeing, Amazon, Microsoft, Starbucksなどシアトルを代表する企業に働きながら学んでいる学生も多く、彼らから非常にたくさんの学びがありました。
ちなみにLinkedInで日本人で私と同大学の卒業生をサーチしたところ十数名程度しかいませんでしたが、彼らの勤め先は、
- Goldman Sachs
- Salesforce.com
などなど、一流企業が多かったのは印象的でした。
私が経験したプログラムの詳細は以下の記事にまとめていますのでご参照ください。

私が26歳からの社会人留学を通じて得たもの
①圧倒的な度胸と自信
私は26歳にして、それまでの一度の海外旅行を除けば、この留学がほとんど始めての海外経験でした。
ましてや、それまであまり未知へのチャレンジを行うことすら避けてきた自分でした。
しかしこの留学での2年間で、帰国後会う人会う人から「お前変わったな」と言われるほど内面に変化が生じたと思います。
思い起こせば、留学期間中は本当に色々なことがありました。
大学院での最初の1年間英語でまったく議論で戦えず、プレゼンでは毎度何十回も練習して、徐々にクラスメイトからの信頼を得ていったこと。
日本では起こらないような様々なハプニングや命の危機を感じることもあり、言葉もままならず頼れる人がいない中で、自分で考え対処していったこと。
またバスケットボールをやっていたのですが、現地のセミプロチームに自らコンタクトをとり、トライアウトからチームへの加入を勝ち取ったこと等々。
今後世界のどこにいてもどうにかやっていける強いハートを手に入れることができました。
②英語ができることによるキャリアの可能性
留学前までは英語がろくに使えなかったことで、英語ができるということが人生においてどれだけのインパクトのあることかを知ることができました。
英語ができるようになったことでキャリア・人生の可能性が何十倍、何百倍にもなったと思います。
留学中の就職活動においては、英語ができない新卒時に比べてエントリーの幅が大きく広がったことを感じました。
また、英語が使えるか使えないかで、任される仕事のスケールに大きな違いが出てきています。
もちろん留学したという経歴だけではなく、しっかりとテストでスコアを取ること、またその経歴に見合うだけ英語を喋れるようにすることは重要です。
③人生の出会い
私は2年間の留学中に、今も関係が続いているかけがえのない友達や大切な人たちに出会うことができました。
今でも毎週末にスカイプで他愛もない話をする友達もいますし、自分の第二の家族ともいえるホストファミリーにも出会うことができました。
キャリアについて相談でき、アメリカでの情報やチャンスを提供してくれる友達もいます。
薄っぺらい人脈ではなく、自分の人生や決断を親身になって考えサポートしてくれるかけがえのない人たちと出会うことができました。
社会人留学をする際に頭に入れておくべきこと
①留学期間中の機会損失をカバーするだけの努力をする
私は社会人を新卒から3年6ヶ月経験した後に留学をしました。
日本に戻ってきて再度就職したときは29歳になる年でしたが、大学学部をストレートに卒業して働いている人と比べたら約2~3年の経験差があります。
30歳前後の働き盛りでそれだけの就業経験に差ができるということは、今後のキャリア形成においてかなり大きなマイナスになりかねません。
その可能性を理解した上で社会人留学という選択はすべきです。
加えて、日本で再度働く際にその留学経験をプラスとして捉えてくれない企業はもちろんあります。
留学を検討している方はそのあたりも考慮するべきですが、まあ自分が本気で留学期間を過ごせば何かしらは残るはずです。
腹を決めたら、日本での機会損失をカバーできるだけの努力を留学期間中にしましょう。
②意識して英語を上達させる
英語は留学したからと言って何もせずに上達する訳ではありません。
自分が理想として描いている英語力を身につけるためには、1~2年の留学だと非常に短いと思ったほうがよいです。
また学生などの若い時に比べ、発音を改善することも楽ではなくなってきます。
日本人同士で関わり過ぎないことは言うまでもなく、意識しての英語の勉強は留学後も必要です。
特にスピーキングはネイティブ相手にどれだけ会話をしたかで伸びに大きな差ができます。
学校外でも積極的にローカルの人に話しかけていくことが必須です。
③留学費用をかけるだけの価値を作る
私の留学費用ですが、2年間で学費が約400万+生活費が300万ちょっとの合計700~800万円かかりました。
それでもおそらく学費に関してはアメリカの大学院ではかなり低い部類に入ります。
2年間ずっと月700ドルのホームステイで暮らしていたのでかなり生活費も抑えることができました。
アメリカのトップスクールに2年間行くとすると学費はおそらくこれの2~3倍以上になります。
生活費も普通はもっとかかるはずです。
一方、行き方として私のように大学院に行くのではなく、語学学校やワーホリ、その他留学プログラムなど様々な方法があります。
行き方・留学する国により費用はまちまちですが、いずれにせよそこそこはかかるものです。
留学に行くのであれば、圧倒的に行動して、そのお金を払っただけの留学の価値を作り出しましょう。
まとめ
留学によって得られるもの、またその大きさは人それぞれだと思います。
しかし、誰に対しても共通して言えることは、留学してからどれだけ努力を続けられるかでその留学の結果が大きく変わるということです。
上記にあげた注意点についても、努力を怠らなければ解決できることも多いはずで、お金をかけた意味のある留学にできるかは自分の行動次第です。
その意味では、私は何歳になっても留学に遅いということはないと思っています。
繰り返しになりますが、「留学は行ったもん勝ち」です。
少しでも興味があれば是非チャレンジして、その後の人生を変えるかもしれない素敵な留学を実現させてください。