今回は英語学習における精読・音読の方法と自身の考えについてまとめました。
社会人のTOEIC対策に加え、大学受験生にも参考にしていただければと思います。
- 英語の長文問題に苦手意識がある
- 英語をスラスラと読めるようになりたい
- 英語の精読・音読の方法が知りたい
英語長文対策①:英語を確実に理解するための「精読」
速読という言葉に安易に飛びつかない
英語を読む方法として、巷ではよく「速読」という言葉が聞かれると思います。
そして、
「◯◯の試験では英語の長文問題が多い」
「問題の割に時間がないから速読しなければならない」
などなど。
このように「速読」という言葉が使われるとき、
重要な情報だけ拾って読みましょう・ざっくり流して読みしましょう
ということを意味している場合が多いと思われます。
そして、英語が得意でない人ほどこの「速読」という言葉を全面に出す参考書に惹かれる傾向にある印象です。
しかし、そのような読み方は英文の構造をある程度正確に理解して読める、つまり「精読」(英文解釈)ができることが大前提となります。
ゆっくり読んでも理解できないものを急いで読んで理解ができる訳がありません。
なので、まずそもそも英語を正確に把握して読めるという自信がない人は、英文の構造解釈の訓練からじっくりとやるべきだと考えています。
高校時代に英語につまづき、精読に取り組む
私は高校時代、英語の受験勉強のスタートとして単語と文法から始めました。
そしてその後、英単語・文法をある程度覚えた自分は、英語までもある程度マスターした気になっていました。
と言うのも、
「英語の文章は結局は単語と文法の組み合わせ」→「単語と文法さえやっとけば読めるようになる」
と考えていたからです。
一方、当時周りの友達は逆のアプローチを取っており、単語文法ともにおぼつかないまま、
「大学受験の英語は長文対策が大事だから」
と言って、「速読」という名の下に、知らない単語文法ばかりの文章を流し見てやった気になっていました。
それに比べれば遥かに効果的な勉強をしていた自信はあったので、
「英語の文章は結局は単語と文法の組み合わせ」→「単語と文法さえやっとけば読めるようになる」
は、半分正解で半分外れだったように思います。
(もちろん量をこなす「多読」という勉強法もありますが、ある程度の単語文法を覚えてから取り組むべきものだと思っています。)
いくら頭の中に単語と個々に文法を知っていたとしても、それらを文章として統合して英文として理解していく訓練は別途必要でした。
それができていなかった私は高校3年生の秋頃から思ったほど英語が伸びず、簡単だと舐めていたセンター形式の問題でも間違えだらけになります。
そこでようやく「精読」という言葉を意識し、英文の構造を確実に理解していくためのトレーニングに入ったのでした。
精読/英文解釈トレーニングの方法
私が行ったことは、自分が解いた英語の長文問題の文章を都度完全に理解し自分のものにするというものでした。
完璧な精読というよりは、若干「手抜き」の精読/英文解釈といったほうが適当な気がしています。
精読の必要性を痛感した自分でしたが、英語の授業の予習のように初めて読む文章を一から全文日本語訳を作るようなことは行いませんでした。
もちろん、受験勉強で取り組んでいた長文の問題演習はそのまま継続しています。
それに加え、演習後に理解を深めることを目的に英文を一つ一つ解釈していくことを新たに始めたのでした。
この方法により、確実に読みの精度・レベルを上げていくことができました。
以下、その詳細手順です。
- 演習として志望校の過去問の長文問題を制限時間をつけて本番を想定して解く。
- 終了後、意味のわからない単語・表現があれば辞書を開き調べる。
- 文法構造がわからなければ、解説や日本語訳を見てもいいので、英文の構造を自分で説明できるよう理解する。
- 自分が得た情報を紙の空いているスペースに書き込んでいく(問題は印刷していくらでも汚せるようにすると良い)。
- 英文構造の他、文章の中でわからないことは全て調べて確認し、その文章を完全に理解する。
ポイントは、日本語訳や辞書の助けを借りてもいいので、
- その文章の中でわからないことは全て調べて確認する
- その文章を完全に理解する
ということです。
この作業が終わってから、また頭から通して読み、スムーズに読むことができる&理解できない箇所が一つもなければOKです。
実際にこれをやってみると結構時間がかかりますが、その分確実に力がついていきます。
ちなみに少し時間をおいて再度同じ文章を読み返すと、既に忘れていることがいくつもあり、うまく読めないことに気がつきます。
そこで次にお話をする「音読」をして、その文章を完全に自分のものにします。
このトレーニングで課題とする英文は、基本的に自分が目標とする試験等の過去問等でOKです。
が、そこで「自分のレベルより一歩背伸び」した英文にチャレンジしてみると、成長速度もグンと早められるのでおすすめです。
(例:MARCH志望だが、早慶の英文でこのトレーニングをしてみるなど)
英語長文対策②:英語を自分のものにするための「音読」
自分の引き出しにする音読の方法→何度も繰り返し音読する
自分にとって音読は「新たに出会った英語を自分の中に植え付ける作業」だと考えています。
英語の長文を、辞書や解説、訳文の助けを借りて理解をしたとしても、それは結局のところまだ完全に自分のものにはなっていません。
そのため、理解したタイミングを逃さずに「自分の中にものとして引き出しにする」ために音読をします。
以下手順です。
- 上記の英文解釈(精読)を終えた後、頭から読んで理解ができるようであれば、次はそれを声に出して読む
- 繰り返し何度も行い、英語が口からスムーズに出てくるようにする(10~20回程度)
- この時自分で書き込んだ解説や単語の意味は見ずに、英語のみに集中して音読する
- 繰り返し音読しある程度スムーズに読めるようになればその文章は一旦OKとする
- 時間をあけて再度また音読する(時間をあけると前回の最後に行った音読よりスムーズに読めないことが多い)
- 以降、時間をあけて何度も同じ文章を読んでいくことで、だんだんと自分の中にその英語が定着していく
もちろん、新たな表現を取り込むことも必要なので、新しい文章にも同じ要領でチャレンジしていきます。
私は過去に読んだ文章の音読を毎日行う一方で、受験期に自分はこの方法で400語前後の文章を1日1つずつ自分のものにしていきました。
また、都度問題を印刷して、色々と書き込みながらこの英文解釈&音読の作業を繰り返していました。
完了した問題の束、つまり「自分のものにした長文」が机の脇で積み上がってくるとともに、自分でも確実に力がついていることを実感できます。
結果、センター形式の問題ではほとんどミスがなくなり、志望する都内の難関私大の過去問もボーダー以上で安定。
最終的には、第一志望への合格を果たしました。
CDがあれば重ねて唱えることで効果アップ
これはオプションですが、自分が勉強の対象とする英文にCDなどの音声がついていれば利用する価値は大いにありです。
CDを使い、読み上げられる英語に重ねて文章を見ながら自分も音読をします。
これをすることで英語のリズムに慣れ、耳も同時に鍛えられると同時により強固なインプットを期待できます。
私は受験生当時、ノルマとしていた1日1つの長文問題以外にも、Z会出版の単語帳の文章をCDを聴きながら毎日呪文のように唱え続けていました。
この方法により、その本のウリであった背景知識ごと1冊まるまるの内容を短期間で修得できたので、大変効果が大きかったと思っています。
また、この方法は後にシャドーイングに移行するステップにもなります。
シャドーイングは、テキストを見ずに音声の英語の後を追ってリピートしていく勉強法です。
英語学習に大きな効果をもたらしますが、慣れないうちはかなり難易度が高いです。
そこで、このテキストを見ながら音声と一緒に音読をする方法から始めることで、次にシャドーイングに進むための準備とすることができます。

英語長文対策③:精読&音読の次のステップ→英語小説の多読へ
自分は大学受験勉強の終盤から今回ご紹介した方法に取り組みはじめました。
その後ブランクがあり、TOEIC610点を大学2年生時に取得したことを考えると、上記の精読&音読だけでTOEIC600~700点はいけると思います。
その後は、ある程度の英語力がついた時点で英語小説の多読に移行し、「速く」「たくさん」読むのがおすすめです。
TOEICが600点程度あれば読める英語小説はたくさんありますし、この段階に入ると最早英語の勉強が勉強でなくなります。
めちゃくちゃ楽しいです。

ちなみに私はシドニー・シェルダンの小説がとてつもなく好きで、どなたにもおすすめです。
彼の作品はどれも英語多読の教材として最高に良いので、興味がありましたら是非チャレンジしてみてください。

まとめ
速読という言葉に惑わされず、時間をかけても英語をしっかり読めるようになれば、数をこなすことで英文読書スピードは自然に上がります。
今回挙げた学習プロセスや英文を正しく理解するスキルは、英語上達において非常に重要な基礎になる部分です。
英語初心者の方は特に意識をしてください。
現在試験の点数が伸び悩んでいる方は、私のように一度基礎に戻り、この精読&音読のステップから自身のスキル見直をおすすめします。
その後間違いなく英語長文読解力の向上が加速するはずです。