カンホンです。
私はアメリカの大学院を2017年に卒業し、帰国してから日本でいかに英語力を伸ばすか試行錯誤してきました。
現在の私のメインの英語勉強法の一つは多読で、2018年10月からシドニー・シェルダンの作品を毎日欠かさず読み、2020年9月ついに全作品を制覇しました。
本記事では、英語の多読学習の参考に、私が現在取り組んだシドニー・シェルダン小説全制覇の記録をシェアしたいと思います。
- 英語の多読にお勧めの教材を探している
- シドニー・シェルダンの作品に興味がある
- 生きた英語を楽しく勉強したい
そもそもシドニー・シェルダンとは?
アメリカの有名なミステリー作家です。
参考 Sidney SheldonWikipedia英語の学習をする人なら一度は名前を聞いたことがあるであろう小説家で、彼の作品は、
- 平易な英語で書かれている
- どんどん引き込まれるストーリー
- 作品の分量もちょうど良い
ということで、英語学習者にはうってつけの多読教材です。
私とシドニー・シェルダンとの出会いは大学3年生の時に受講した英文学部の授業でした。
彼の作品は、当時まだTOEIC600~700程度の英語力だった純ジャパの私を英語学習にのめり込ませる大きなきっかけとなりました。
シドニー・シェルダン作品でまた多読を始めてみようと思い立ったのがその時から10年近く経った2018年の10月頃で、現在再び毎日欠かさず読んでいます。
以下、シドニー・シェルダン作品全制覇の記録です。
シドニー・シェルダン小説18作品全制覇の記録
シドニー・シェルダンの小説全18作品の読書記録を古いものから順に掲載していきます(それぞれの書評ページに飛びます)。
はっきり言ってどの作品も面白いですが、その中でも私のダントツのおすすめは「Master of the Game」です。
1. The Naked Face (1970)
【英語多読|書評】『The Naked Face』 by シドニー・シェルダン
【2020年5月読了】
精神分析医のJudd Stevensが主人公のサスペンスです。
彼の周りで不可解な殺人事件が次々と起こり、Juddは彼自身が何者かに狙われていることに気がつきます。
一方、警察はJuddが犯人なのではないかと疑い彼の身の回りを調べ、Juddは精神的にも肉体的にも追い詰められていきます。
2. The Other Side of Midnight (1973)
【英語多読|書評】『The Other Side of Midnight』 by シドニー・シェルダン
【2019年5月読了】
舞台は第二次世界対戦前後のヨーロッパとアメリカで、シドニー・シェルダンお得意の壮大な復讐劇です。
フランス人女優のNoelleとアメリカ人秘書Catherineのエピソードが交互に展開され、アメリカ人パイロットのLarryを通じて二人の運命は交差します。
そして、最後は皆が破滅に向かいます。
3. A Stranger in the Mirror (1976)
【英語多読|書評】『A Stranger in the Mirror』 by シドニー・シェルダン
【2020年4月読了】
ハリウッドを舞台にしたTobyとJillの物語です。
二人の生い立ちから始まり、ハリウッドでの出会い、パートナーとしてハリウッドの世界を支配していく様が鮮明に描かれています。
ザ・シドニー・シェルダンとも言える一冊です。
4. Bloodline (1977)
【英語多読|書評】『Bloodline』 by シドニー・シェルダン
【2020年2月読了】
Roffe and Sonsという大企業一族を巡るストーリーです。
Elizabeth Roffeの父Samが不運な事故で亡くなった後、Roffe and Sonsの運命はElizabethに委ねられます。
会社の重役に就く彼女の従兄弟達は企業の状況の鑑み、それまでの一族経営から脱却し会社の市場への公開を強く求めますが、Elizabethは頑なに拒みます。
そして、Elizabethの周りには不可解な事故が起こり、彼女自身も身の危険に晒されることになります。
従兄弟達それぞれに動機は伺うことができますが、事件の背景に誰がいるのかはなかなか掴むことができません。
最後には意外な人物が犯人として姿を現します。
5. Rage of Angels (1980)
【英語多読|書評】『Rage of Angels』 by シドニー・シェルダン
【2019年11月読了】
アメリカ・ワシントン州出身のJennifer Parkerはロースクールを出た後初めての現場でまさかのトラブルに巻き込まれます。
彼女の弁護士としてのスタートがいきなり挫かれるJenniferですが、そこから周囲の助けと彼女の持ち前の知性とガッツで瞬く間にキャリアを築いてきます。
その後Jenniferはマフィアの世界と接触、また二人の全くタイプの異なる男性との間に揺れ動き、人としての幸福と絶望の両方を経験することになります。
6. Master of the Game (1982)
【英語多読|書評】『Master of the Game』 by シドニー・シェルダン
【2018年10月読了】
世界有数のコングロマリット企業を率いたKate Blackwellと彼女の一族、親子4代の100年に渡る壮大なストーリーです。
90歳にしても尚全てをコントロールしようとする彼女のバイタリティは一代にして財を築いた父譲りで、周囲の人々の人生にも大きな影響を与えます。
権力・陰謀・復讐に渦巻くスピード感あるドラマに、人間の果てしない欲望を見ることができます。
7. If Tomorrow Comes (1985)
【英語多読|書評】『If Tomorrow Comes』 by シドニー・シェルダン
【2019年2月読了】
銀行で順風満帆に働くTracy Whitneyは、間も無く理想的なフィアンセとゴールインというところでニューオリンズのマフィアの罠にハマります。
そして刑務所に入るというなんともジェットコースターのような運命を辿ることに。
フィアンセにも見捨てられ、自分をそのような境遇に陥れた人々に復讐を誓うTracyは刑務所を何とか脱出し、目的としたリベンジを全て果たします。
その後にひょんな出会いから"Con Artist"(詐欺師)としてのキャリアにどっぷりとはまっていきました。
8. Windmills of the Gods (1987)
【英語多読|書評】『Windmills of the Gods』 by シドニー・シェルダン
【2020年7月読了】
祖先のルーツをルーマニアに持つ主人公Maryは、地元カンザスの大学で教鞭を執りながら夫と2人の子供と幸せな生活を送っていました。
そんな彼女が思いも寄らぬことに、大統領がMaryの研究に目に留め、アメリカのルーマニア大使として彼女を任命します。
一気にセレブになったMaryでしたが、ルーマニア行きを決める前、行ってからと様々な出来事が起こり、命を脅かされる状況に。
最後に黒幕が明かされるまで気が抜けず、読者の予想を裏切る結末を迎えます。
9. The Sands of Time (1988)
【英語多読|書評】『The Sands of Time』 by シドニー・シェルダン
【2020年3月読了】
舞台は1970年代のスペインです。
バスクのカリスマリーダーであるJaime Miroとその仲間たちが4人の修道女と出会い、共に旅をする中で様々なドラマ・サバイバルを繰り広げます。
10. Memories of Midnight (1990)
【英語多読|書評】『Memories of Midnight』 by シドニー・シェルダン
【2019年8月読了】
本作品は前作『The Other Side of Midnight』でのLarryとNoelleの裁判の後の物語です。
記憶を無くしたCatherineにDemirisが接触するところから始まり、Demirisの過去についても明かされます。
夫婦・義兄弟の死闘、Catherineにも命の危機が迫りますが、最後には意外な人物がこの復讐ゲームにピリオドを打つことになります。
11. The Doomsday Conspiracy (1991)
【英語多読|書評】『The Doomsday Conspiracy』 by シドニー・シェルダン
【2019年9月読了】
主人公のRobert Bellamyは国の特殊機関で働いていました。
NSAからの指令で、彼はスイスのアルプスに墜落したバルーンの目撃者を「名前の情報すらなしに特定する」という難解な任務を与えられます。
世界中に散った目撃者に一人一人接触していくRobertですが、その過程で彼も地球規模の大きな陰謀に巻き込まれていきます。
12. The Stars Shine Down (1992)
【英語多読|書評】『The Stars Shine Down』 by シドニー・シェルダン
【2020年8月読了】
カナダのNova Scotiaに生まれ育ったLaraは貧しい暮らしの中でも懸命に働き、不動産に置いて人生の光を見出します。
その後彼女はシカゴ、ニューヨークと舞台を変え、持ち前の美貌とビジネスセンスで次々と成功を収めていくことに。
世界的なピアニストであるPhilipとの出会いから結婚も果たし、この世のあらゆる幸せを手にしたLaraでしたが、徐々に歯車が狂い始めます。
最後には全てを失いかける状況にまで陥り、彼女の人生はまさにジェットコースターのようなアップダウンを見せることになります。
13. Nothing Lasts Forever (1994)
【英語多読|書評】『Nothing Lasts Forever』 by シドニー・シェルダン
【2019年12月読了】
サンフランシスコの州立病院で出会った3人の女性医師を巡るストーリー。
全くタイプの異なる彼女たちそれぞれの物語が展開されます。
読み終えてから知ったのですが、結構昔の中谷美紀さんの『女医 NOTHING LASTS FOREVER』というドラマの原作だったようです...!
14. Morning, Noon, and Night (1995)
【英語多読|書評】『Morning, Noon and Night』 by シドニー・シェルダン
【2018年11月読了】
本作品は大富豪Harry Stanfordとその一家の物語で、彼の突然の死からその遺産を巡って子供兄妹それぞれのストーリーが展開されます。
ボストンでの葬儀の後に新たにStanfordの娘を名乗る女性が現れますが、彼女の出現により遺産争いは大いに拗れることに。
そして最後はシドニー・シェルダンお得意の意外な結末が読者を待っています。
15. The Best Laid Plans (1997)
【英語多読|書評】『The Best Laid Plans』 by シドニー・シェルダン
【2019年3月読了】
広告代理店に務める主人公Leslie Stewartの日記の一文から物語は始まります。
後にアメリカ権力の頂点に上り詰めるOliver Russellとの出会い、裏切り、そこからのLeslieの復讐劇までがシドニー・シェルダンらしく描かれています。
またメインキャラクターではないものの、WTEのニュースレポーターであるDana Evansのエピソードも語られます。
彼女の物語はシドニー・シェルダンの別の作品『The Sky is Falling』に繋がります。
16. Tell Me Your Dreams (1998)
【英語多読|書評】『Tell Me Your Dreams』 by シドニー・シェルダン
【2019年7月読了】
シリコンバレーのコンピュータ会社に勤めるAshleyが主人公のミステリーです。
Ashelyの他にロンドン生まれのToni、イタリア生まれのAletteがメインキャラクターとして登場します。
彼女たちの身の回りで残忍な殺人事件が次々と起き、事件に全く身に覚えないのないAshelyが逮捕されてしまいます。
第二部ではAshleyの父と親交のあったDavidが弁護士としてAshleyと共に法廷で戦い、絶対的に不利な状況に対して立ち向かっていく様が描かれています。
17. The Sky Is Falling (2001)
【英語多読|書評】『The Sky is Falling』 by シドニー・シェルダン
【2018年12月読了】
ユーゴスラビア紛争の報道から一躍スターとなったDana Evansはアメリカの大富豪一家の相次ぐ不可解な死の調査を始めます。
その背景には世界の闇にまでつながるとんでもない陰謀が隠されており、事件に首を突っ込むDanaにも大きな危険が迫ります。
KamelやMatt、Jeffなど『The Best Laid Plans』に出てきたキャラクターも再び登場します。
18. Are You Afraid of the Dark? (2004)
【英語多読|書評】『Are You Afraid of the Dark?』 by シドニー・シェルダン
【2020年9月読了】
本作品は共に不可解な死を遂げた夫を持つDianeとKellyのサバイバルを描いた作品です。
事件の裏には共通して国際的なシンクタンク「Kingsley」の影がありました。
失意の中でも世界中を飛び回りながら真相を掴もうとするDianeとKellyには様々な試練が待ち構えます。
その過程で初めは打ち解けなかった二人でしたが、最終的には大きな友情が芽生えることに。
総じて、シドニー・シェルダンの集大成とも言える非常にエキサイティングなミステリー作品です。
シドニー・シェルダン作品読んだ後は英語ノートの作成を
英語多読はリーディングの訓練であるだけでなく、スピーキングやライティングのアウトプット力向上にも非常に有効です。
シドニー・シェルダン作品の中には実践で使える英語表現が満載ですので、気になった表現はメモし、英語ノートを作成することをオススメします。
英語ノートを作成するに当たってはKindle→Evernoteの組み合わせがとても便利なので以下の記事もご参照ください。

作品を読み終わった後に手元に残るノートは「やりきった」という自分の自信にも繋がるでしょう。
これをコツコツ続けるか否かで、多読による英語力の伸びに大きな違いが生まれます。
まとめ
日本語の小説も含めて、私はこれまで誰か一人の作品を全て読みたいと思いチャレンジしてみたことはありませんでした。
英語学習という目的は勿論あります。
それでも私に「彼の全ての作品を読んでみたい」と思わせてくれるシドニー・シェルダンは本当に自信を持ってお勧めできる作家です。
彼の作品を読むことで英語力が伸びることは間違いなく、私のように1日たったの10ページでも毎日続ければ大きな大きな財産になります。
(そして、楽しいので驚くほど続きます。)
少しでも興味を持っていただけましたら、まずは一冊からでもいいので是非実際に手に取って読んでもらえればと思います。