カンホンです。
今回はシドニー・シェルダンの『Tell Me Your Dreams』の読書記録です。
内容はわかりやすく、精神疾患やアメリカの裁判に関する背景知識が多く得られる一冊でした。
分量はそれほどないので、英語多読初心者にもおすすめできる作品かと思います。
- 英語の多読にお勧めの教材を探している
- シドニー・シェルダンの作品に興味がある
- 生きた英語を楽しく勉強したい
『Tell Me Your Dreams』の概要
Computer whiz Ashley Patterson is convinced she is being stalked. Coworker Toni Prescott has a penchant for Internet dating and little time for anyone else. And Alette Peters prefers quiet weekends in the arms of a beefcake artist. They know virtually nothing about each other--until the three women are linked by a murder investigation that will lead to one of the most bizarre trials of the century.
シリコンバレーのコンピュータ会社に勤めるAshleyが主人公のミステリーです。
Ashelyの他にロンドン生まれのToni、イタリア生まれのAletteがメインキャラクターとして登場します。
彼女たちの身の回りで残忍な殺人事件が次々と起き、事件に全く身に覚えないのないAshelyが逮捕されてしまいます。
第二部ではAshleyの父と親交のあったDavidが弁護士としてAshleyと共に法廷で戦い、絶対的に不利な状況に対して立ち向かっていく様が描かれています。
『Tell Me Your Dreams』の英語多読おすすめ度
物語の一番のポイントを言うとネタバレになってしまうので伝えづらいのですが、3人の女性の物語がリンクした時「なるほど!」とスッキリ感が得られます。
物語の第一部は次々と起こる殺人事件の話で、正直男性としては読んで想像するだけで胸のあたりがとんでもなく気持ち悪くなるホラーです...。
(殺害された人は全て男性で、とてもとても残忍な殺され方をします。)
第二部はシドニー・シェルダンのいくつかの他の作品でもあるような法廷のシーンがメインです。
Ashelyの圧倒的不利な状況をDavidがひっくり返すストーリーは読んでいてかなり痛快でした。
物語の初めの1/3くらいで面白いところはもう終わったかな?と一旦思います。
しかしその後、事件の背景が明らかになっていく過程や、本作品の重要なテーマである精神疾患に関する内容から最後まで興味を持って読むことができました。
作品のボリュームは大きくなく、簡易な英語で描かれるシドニー・シェルダン作品の中でも英語多読初心者に向けては特に良い一冊かと思います。
ピックアップ表現
『Tell Me Your Dreams』に出てくる表現・フレーズで個人的に気になったものを取り上げています。
She was shy and soft-spoken, with a gentleness that was almost an anachronism.
anachronismは「時代錯誤の」「時代遅れの」といった意味で、Ashelyの性格を表しています。
“Only kidding.” He walked over to the bar and poured some wine.
“Have a little wine. That can’t hurt you.” He handed her the glass.
She took a sip of wine. “Tell me about Miss Right.”
女性にお酒を勧める言い方で、単純になるほどと思っただけです。笑
日本語にすると「害はないよ」=「大したことないよ」といった感じでしょうか。
“I work at a pharmacy. I can be good to you. Do you do drugs?” “Sod off.”
Toniの発言で、「消え失せろ」といった意味です(イギリス英語です)。
On the Internet, Jean Claude had said, “I have a little jewelry store.”
It was a very large store, tastefully done. Half a dozen clerks were busy with customers.
Toni looked around and said, “It’s—it’s smashing.”
こちらもToniの発言で、「素晴らしい」という意味のイギリス英語のスラングです。
On the way back to the hotel, Jean Claude said, “Chérie, would you like to stop at my house and have a nightcap?”
have a nightcapで「寝酒をする」という意味です。
“Well, I need your help, Toni. I want to ask you a question. What do you think of Ashley?”
“Miss Tight Ass? Don’t get me started.”
“You don’t like her?”
“In spades.”
in spadesは「確かに」「紛れもなく」という意味です。
まとめ
ネットの書評を読んでいるとこの作品についての評判は賛否が分かれますが、個人的には十分楽しめました。
物語の舞台はシドニー・シェルダンの作品にしては割と現代に近いものです(インターネットが登場します)。
トピックも他とは少し毛色の違ったものですが、ミステリーとしての面白さ・英語多読における学びは非常にある作品でした。
興味を持たれましたら是非読んでみていただければと思います。