【書評】『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』 by ふろむだ

今回は『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』をご紹介します。

本書では、今この世の中で起こっていて多くの人が「多分そうかなー」と思っていたことが精緻に言語化されています。

人生が上手くいかないと思っている人は何故上手くいかないのか人生の攻略法を理解できるかと思います。

こんな人向けの記事
  • 人生において運がない・チャンスに恵まれない
  • 実力はあるはずなのになかなか評価されない
  • 人生を「イージーモードの神ゲー」に変えたい

 

『人生は、運よりも実力よりも「勘違いさせる力」で決まっている』概要

錯覚資産を使えば、 自分が有能な人間であるかのように見せかけて、 昇進したり、転職に成功したり、年収を上げたりすることができる。

ブログにアクセスを集めて、アフィリエイトで稼ぐこともできる。

ツイッターでフォロワーを大量に増やすこともできる。

顧客にものを買わせることもできる。 起業して、投資家から出資金を集めることも、優秀な人材を集めることもできる。

本書は人々の人生において圧倒的な差が生まれる原因:

「勘違いさせる力」=「錯覚資産

について書かれた本で、具体的なその運用方法が述べられています。

特にインターネット・SNSの発達を通じて今世の中で起きていることを理解するのにはこれ以上ない解説書です。

これまでご自身でも以下のように感じた経験があると思います。

  • なぜあいつは自分より実力がないのに評価され、いい待遇を受けているのか?
  • 自分には機会さえあれば必ず活躍できる力があるが、その機会がなかなかない
  • 自分の人生が上手くいかないのは環境のせいだ
  • ネット上でインフルエンサーが言っていることは自分の意見と全く同じで大したことない(一般人である自分と彼との差は何か?)
  • 一つの分野で影響力を持った人が素人同然の別の分野で意見を発しても人は聞く耳を持つ

などなど。

これらに共通するファクターは「錯覚資産」で、結論から言うと、

人生を運と実力に頼っている人はいくら本人が頑張っていると思っても良い結果を得ることができません

錯覚資産を上手く運用しながら、運と実力を高めていくことでのみ人生をイージーゲームにすることができます

 

錯覚資産とはどんなものか:TOEIC900点が例としてわかりやすい

人々が自分に対して持っている、自分に都合のいい思考の錯覚」は、一種の資産として機能するということだ。

本書では、これを「錯覚資産」 と呼ぶ。

英語学習が好きな私の身近な例をあげると、TOEIC900点があります。

TOEIC900点を持っている人の中では、それを「大したことでない」と思っている割合が99%くらいなはずです。

理由をいくつか挙げると、

  • TOEIC900点でもネイティブの英語力には程遠い
  • むしろ900点あっても英語が喋れないことに絶望している
  • 勉強を継続さえすれば誰でもいつかは到達できる

ことを当事者として知っているからです。

しかしTOEIC900点というと一応上位の3~4%でそれ以外の人からしたら「とてもすごいもの」だと思われています。

このギャップは自分にとって都合のいいように働く錯覚資産だと言えます。

例えば、

  • 英語は喋れないTOEIC900点だが、英語ができると周囲に認知させ海外赴任のチャンスを得る→結果的に喋れるようになる
  • TOEIC900点=優秀と思う人も実際存在する→仕事でいい役割やポジションの候補に上がる・就職活動で与える印象がいい

というようなことが起こり得ます。

(2つ目の例のように一つのことが優れていると他の部分まで優れているように感じる現象は「ハロー効果」といい、こちらも本書に出てくる重要な概念です。)

ここで大切なのは、TOEIC900点を取るのはほとんど実力ですが、それを人に知らせることをしないと自分の資産とならないということです。

つまり、意識して錯覚資産となるよう育てていく必要があります。

ちなみに上記のような理由でTOEIC900取得がキャリアアップ上おすすめであることについては、以下の記事でも述べていますのであわせてご参照ください。

就職・転職・キャリアップにTOEIC900点は圧倒的におすすめの資格

 

錯覚資産を無視し、実力のみで勝負しようとすると損をする世の中である

「実力がある」から、よいポジションを手に入れられるのではなく、「実力があると周囲が錯覚する」から、よいポジションを手に入れられているという部分が大きいのだ。

本書で述べられている人生攻略のポイントは数多くありますが、ここで私が一つだけ挙げるとすればこれです。

先にあげた例では、

英語は喋れないTOEIC900点だが、英語ができると周囲に認知させ海外赴任のチャンスを得る→結果的に喋れるようになる

もその一つです。

私はこれまでの自分の人生でこの光景を当事者として何度も目の当たりにしてきました。

しかし、その時は残念なことに実力だけで勝負しようとする愚かさに気づくことができませんでした。

わかりやすい例は私が中学から始めたバスケットボールでの経験です。

  1. 自分の方が同じポジションのライバルより上手い・実力はあると思っていても周囲はそう思っていない(彼はアピールが上手い=錯覚資産がある)
  2. その結果、自分ではなく彼が選ばれる→自分は試合経験を積めない、高いレベルでプレーをするチャンスを得られない
  3. 彼はチャンス・環境を手に入れることで実力も高め、自分が追いつけないレベルに成長する
  4. 自分には運がないと思う・実力を高めればいつか日の目を見ると思い、実力を高めることにのみ集中する
  5. 彼は実力が増したことでよりいい環境を手に入れさらに成長する→彼との距離はさらに広がる

仕事においても全く同じことが起こるのはお気づきかと思います。

同僚がいい環境・ポジションを手に入れることで成長し、自分が追いつけないくらい遠くに行ってしまうことを経験した方は結構いるのではないでしょうか。

会社は、実力タイプよりも、錯覚力タイプのほうが有能だと認識するので、錯覚力タイプは、実力タイプよりも、よりよいポジションや成長のチャンスを手に入れられる。

錯覚力タイプは、エリートコースに乗り、いい先輩の丁寧な指導を受け、重要な仕事を任され、みんなに助けられ、実力アップの機会に恵まれる

実力タイプは、数年後に廃棄が決まっている老朽化したシステムのお守りや雑用ばかりさせられ、ろくな経験を積めず、実力が伸び悩む。

もちろん、この本では実力を高めることを否定しているのではありません。

「錯覚資産」を育てることを怠るととんでもない損をする世の中だよ、と警鐘を鳴らしているのです。

ましてやインターネットの時代、SNSなどを通じて錯覚資産を増やそうとしている人は日々倍々ゲームでその力を強めています。

錯覚資産を増やす努力をする者としない者の差は、今はまだわずかかもしれないが、10年、20年もすると、目も眩むほどの、すさまじい落差になる。

彼らの間には、もはやなにをやっても覆せないほどの、絶望的な高さの断崖絶壁が立ちはだかる。

では具体的にどう錯覚資産を増やし、人生をイージーモードにしていくかについては是非本書を参照してみてください。

 

まとめ

おそらく多くの人が「錯覚資産」の存在には薄々気がつきつつも、それを言語化・具体的なイメージにできずにモヤモヤしていたことかと思います。

本書はそんなモヤモヤを取り除き、新たな視点を与えてくれる良書です。

また、「錯覚資産」を使う人たちに欺かれず、自分が「錯覚資産」を上手く運用することで人生を思い通りの方向に向かせるきっかけとなる一冊です。

人生という一見捉えどころのないものを構造化し、圧倒的にイージー化・攻略したい方は是非読んでみていただければと思います。