「留学経験がある」=「英語ができる」=「凄い」という風潮が今のご時世でもまだ残っています。
(これはこれで利用価値がありますが。)
しかし、留学経験者のみぞ知る不都合な真実は、「留学しても大して英語ができない」ことです。
そんな悲しい留学経験者にならないために、今回は留学中の英語の勉強・努力という点にフォーカスしてシェアをします。
- 近い将来に海外留学を考えている
- 留学するとどれくらい英語ができるようになるのか知りたい
- 英語圏の国に留学中だが、思ったように英語が伸びない
MBAから帰ってきた男性の話より:「英語でバシバシ戦えるか?」
ちょっと前にスタバで隣に座っていた男性二人のやりとりをこっそりと聞いていました。
「留学中にこそ英語力向上を意識して勉強する必要がある」ことを確信する出来事だったので以下共有します。
- 男性A:おそらく企業派遣でイギリスのMBA(一年制)に行き、帰ってきたばかり
- 男性B:男性Aの経験を聞き、自身も留学を近いうちに実現したい模様
男性A
男性B
男性A
→十中八九戦えておらず、クラスでもほとんど発言できなかったと察します。
このやり取りからおそらく男性Aは純国産の日本人かと思います。
日本の教育にどっぷり浸かって大人になって初めての長期海外生活では、TOEFL100点、IELTS7.0あろうとネイティブに渡り合うためには相当な努力が必要です。
私は海外留学後の英語力を以下のように考えています。
留学後の英語力 = 事前準備 (留学前の英語レベル) × 留学中の勉強・努力 × 留学期間
おそらく彼の事前準備としてはかなりレベルなはずです。
しかし、彼は「英語でバシバシ戦えるよ」(キリっ)と言えませんでした。
それは、一年という「留学期間」がそもそも絶対的に短かったことに理由があるかもしれません。
が、自身の「留学期間」が短いならなおさら意識して英語力を高める必要があるはずです。
もちろん彼が一般人よりは遥かにできる可能性はありますが、「英語ができる」と胸を張って言えなかったのは事実です。
彼が意識・コントロールして変えられたところとしては、やはり「留学中の勉強・努力」しかありません。
「英語ができない」留学経験者にならないために
上記ケースはMBAで周囲のレベルが高いからと思いきや、おそらくどんな留学でさえ「自信を持って英語ができると言えない現象」は起きます。
事前準備の大切さは以下の記事で書きました。

それに加えて、留学中の姿勢が英語力の向上に大きな影響があることをここで強調したいです。
留学後の英語力 = 事前準備 (留学前の英語レベル) × 留学中の勉強・努力 × 留学期間
「留学に行くから」英語が伸びるのだと勘違いする人が多くいます。
経験した身から言うと、
- 留学に行って英語をひたすらインプット&アウトプットする
- 人前で喋って失敗して、恥をかく
- そこから悔しくて改善する
といったステップを踏むからこそ英語力が伸びます。
留学に行ってからこそ泥臭い努力を続けることが重要です。
例えば、授業でなかなか発言のチャンスを掴めない・活かせないのならば、
- 授業外で会話の相手を探して練習をする
- 時間を作って一人でも練習をする
- 練習したことを授業で実践する
- 周囲の反応・フィードバックから改善する
というようなことを毎日ひたすら続けてようやく段々と英語ができるようになってきます。
もちろん留学に行くだけでも、多少の会話はできるようになるかと思います。
しかし、そこに到達することは自分が英語を話せないときに思っているほど難しくはありません。
(これは話せるようになった人が誰しも思うことです。)
難しいのは英語を流暢に話せるようにすることで、ここを効率的に伸ばしていくために海外で日本語を使わない生活を送る意味があるのです。
海外留学に行っても自分で勉強をしなければ大した英語力は身につかず、「英語ができない」留学経験者になります。
そうならないために重要なことは、自分で意識しての行動・努力・改善です。
「海外留学経験」の中身をできる限り濃くする→英語も伸びる
留学がそこそこ当たり前になりつつある今でも、「留学経験がある」というと、
「すごい!」
「英語できるんだ!」
という反応を受ける時があります。
しかし、これまで述べてきたように、おそらく留学経験者の多くが「全然すごくない」「英語できない」と思っています。
それは事実として海外で英語が大して喋れなくても、限られた語彙力を頼りに生きていくことは余裕で可能だからです。
海外留学では語学力の向上が目的の大きな一つであるはずなのに、そこに安住しているのは論外だと思いますが、事実としてそんな人は山のようにいます。
この記事の読者には、「◯◯人と仲良くなって〜したぜ」的な武勇伝を語る人に出会ったことがある人がいるかもしれません。
しかし、おそらくその人は周囲が何を言っているかほとんどわからず、雰囲気で加わっていただけでほとんど相手にされていなかった可能性も大です。
それを留学時代の「経験」と呼び、実は何も得ていないなんてことは大いにあり得ます。
海外留学をするチャンスがあれば、
生活におけるどんな時でも自分が何かを得ているか都度振り返り、日々の「海外留学経験」の中身をできる限り濃くするよう努力してみてください。
例えば、パーティーに行ったとして、
- そのパーティーに行って何人に話かけたか?
- 自分の英語はちゃんと伝わって、相手の言っていることを理解できたか?
- 友達はできて、「また次回」がありそうか?
などなど、毎回反省・改善を繰り返していくことで、自身の英語力を含めた成長速度は全く違うものになります。
何度でも言いますが、海外で生きることは決して難しくなく、英語を少し話せるようになるのも簡単です。
しかし、海外留学に行っただけでは大したことはできませんし、大した成長もできません。
自分で意識して使わなければ大した英語力も身につきません。
海外留学において最も重要なことは、自分で意識しての行動・努力・改善です。
まとめ
若干回答を濁した前出の男性Aでしたが、その後言ったことには私も異論はありませんでした。
男性A
大事なのはコンテンツだとか云々巷では言われますし、もちろんこれも一理あります。
しかし、外国人とレベルの高い仕事をしていきたいと思うのであればに最後は英語がどれだけ喋れるか・上手いかが大きな問題となります。
例えば、自分が周囲よりはるかに考えが深く、「こいつら幼稚なこと言っているな」と思う状況があるとします。
そのように思っていたとしても、自分の英語力がショボければ自分の思考を言語化できず、その周囲の幼稚なレベルにすら対抗できません。
英語力向上だけに留学の目的をおくのは勿体ないですが、英語力向上を疎かにせず120%やりきってこそ留学の価値があります。
留学中・今後留学を予定している方は、留学先で死ぬほど苦労して英語は身につくものだと思って「留学中の勉強・努力」を是非意識してみてください。
そのようなことを念頭に置いて質の高い日々を過ごすことで、「英語でバシバシ戦える」自分に必ず近づくはずです。