【書評】『道具としてのファイナンス』 by 石野雄一

今回ご紹介する『道具としてのファイナンス』は私がアメリカ留学中にファイナンスの授業を取る前の予習として使った本です。

それまでチンプンカンプンであったファイナンスを魔法のようにわかりやすく頭にインプットしてくれた奇跡の一冊でした。

ファイナンスを実務で使う人は勿論、サラリーマンの教養としても大活躍する参考書ですので今回シェアをさせていただきます。

こんな人向けの記事
  • 教養としてファイナンスの基礎を学びたい
  • 仕事で使えるファイナンスのスキルが欲しい
  • ファイナンスの参考書はどれも難しく何度も挫折してきた

 

『道具としてのファイナンス』概要

「道具としての」、ファイナンスを仕事に使えるようになる本

「ファイナンスといえば、本を開くと数式のオンパレード、講習会に行ってもムズカシイ理屈ばかり…。仕事に使えるファイナンスの本はないのか!?」――そんな嘆きはもう不要。

筆者の石野さんは、(本当かどうか怪しいのですが笑)銀行マン時代からMBA留学まで数字に非常に苦手意識を持っていたとのことでした。

本書はそんな彼が100冊以上・70万円ものをお金をかけてファイナンスと戦ってきた結果生み出した至極の一冊です。

内容としてはファイナンスの一通りの理論・概念について、リアルな数値を使い読者に実際に計算をさせることにより理解を深める仕掛けになっています。

 

「複雑の計算はExcelで!」:手を動かすことでファイナンスを理解する

複雑な数式の代わりにEXCELを活用

経営者の使命は、「有利な条件で資金を調達し、その資金によってより大きな収益を上げる」こと。

そこで求められるのが、ファイナンスをかじった人にはおなじみのオプション理論 やDCF法などなど。

では、忙しい経営者が理論の証明や数式を理解しているのか、といえば、そんな人は一握りもいない。

複雑な計算はEXCELで!ということだ。

本書の最大のポイントは、掲載されている理論が全て「実務で応用する時にどうExcel操作するか」という切り口で書かれていることです。

参考書を読んでいるだけでは理解のしにくいファイナンス理論や複雑なモデルを、実際に自分の手でExcelを使って実践することで理解を促進します。

Excelを作成しながら進めることで自分が実務で使える雛形ができ、本書で学んだことを仕事に直結させることができます。

また、通常の参考書学習のように読んで分かったつもりになり、すぐに忘れてしまうこともありません。

以下のキャプチャは私が自分用に作成したものです。

第1章 投資に関する理論(内部収益率)

第7章 ブラック=ショールズ・モデル(リアルオプション)

 

MBAホルダーよりもファイナンスが使えるようになる

この本の内容を完璧にマスターしたら、「そこらのMBAホルダーより、ファイナンスが使えるようになる」と断言できます。

結局ほとんどの人にとって大事なのは「使えること」です。

本書では理論の証明や高等数学等の深い内容については説明はありません。

しかし、他のMBAファイナンスの本に比べて格段に理解しやすく、実践で使えるレベルの目指すにはこれ一冊で十分と言える内容かと思います。

ちなみに、日本のあるビジネススクールでも本書が参考書図書として薦められているようです。

私がアメリカで勉強をしていた時も、必修のファイナンスを履修する前にこの一冊を一周していたことで授業の理解が圧倒的にスムーズになりました。

 

まとめ

「ファイナンスは難しい」と感じる人も多いかと思います。

おそらく理論尽くしで書かれた本を読み、結局実戦での使い方がわからなかった結果そのようなイメージができてしまったのではないでしょうか。

本書はそのように一度ファイナンスに苦戦・挫折した人にも、これから勉強を開始される人にもおすすめの一冊です。

是非ご自身で実際にExcelを操作しながら、その理解のしやすさを感じてみてもらえればと思います。