今回は私が就活・転職活動時に使った『過去問で鍛える地頭力』のご紹介です。
本書は外資コンサル志望者には必読の書の部類で、ご存知の方も多いかと思います。
一方、コンサル志望でない方、サラリーマンの教養としてもおすすめできる本なので今回シェアをさせていただきます。
- コンサルティング業界を志望している
- フェルミ推定やケース問題がどんなものか気になる
- ビジネスの基礎力・地頭力を向上させたい
『過去問で鍛える地頭力』概要
外資系コンサルティング会社で実際に出題されているフェルミ推定・ケース面接の問題と、その模範解答例を紹介した本です。
例えば以下のような問題が掲載されています。
Q1.日本の電灯(白熱灯・蛍光灯など)の市場規模はどのくらいでしょうか?(ただし家庭用のみ)
慣れてない人であれば「そんなのわからんわ!」となると思いますが、基本的にこの手の問題は以下の3ステップで解くことができます。
- 数の見当がつくものまで分解
- 常識的な推論を重ねる
- 最終的に求めたい数字を出す
ここでのポイントは、その答えが正解にどれだけ近いかではなく、どれだけ納得感のある論理的な考え方でその数字を導き出したかということです。
もちろん結果として回答が正解に近い方が良いですが、それを導き出す過程が重要視されます。
コンサル志望以外の人も考え方を身につけておいて損はない
外資系コンサルティング会社の面接試験としてフェルミ推定やケース問題は特に有名です。
加えて、事業会社の面接でもポジションによってはそのような地頭の良さを確認するような質問を出すところもあります。
例えば、私が転職活動でリクルートや楽天を受けた時にはフェルミ推定が面接の中で出ました。

リクルートのケースでは、私がバスケットをやっていたことから、
「日本のプロバスケットボールの年間売上を5分で計算してください」
という質問が出され、「5分て短か!」と思いながら必死で計算したのを覚えています。
事前に対策をしていたので、結果的に私はなんとかそれらしい思考過程を提示することができ、面接を通過することができました。
面接官の方がフィードバックでおっしゃっていたことは、結局は物事をしっかりと因数分解して考えられるかを見るための質問だということでした。
私の場合、バスケットの売り上げの要素はなんだっけ?というところから考え始め、
- バスケの年間の売上は、「年間の試合数 × 一試合あたりの売上」だろう
- 一試合あたりの売上は、「チケット代 × 観客の人数」で、
- あ、そこにグッズ代も入るな
- 年間何試合くらいあるっけ?バスケ毎日やるのはキツイから週に3回くらいかなあ
- リーグ(B1、B2、B3)によってチケット代や会場の収容人数、動員割合は違うはず
- うーん、季節にも影響されるかもしれん
などなど、考慮すべき要素を洗い出して計算式に落とし込んでいき、最終的に推定金額を算出しようとしました。
ちなみに、私はこの計算が終わりませんでした。
しかし通りました。
もちろん計算をやり切ればベストですが、考え方がしっかりと提示できる方が大事です。
加えて細かい要素は出そうとすればキリがないので、短い時間でざっくり出すために、
最終結果にインパクトの大きい要素にだけに絞り、枝葉は切り捨てる
ことも重要です。
私は現職でもこのような分解→推定の考え方は日々使っており、「地頭力」なるものはどんな仕事においても役立つものだと考えています。
フェルミ推定やケース問題はどれだけ練習するかが全て
「地頭力」というと何とも先天的で元から持っているモノのように聞こえてしまいますが、はっきり言ってやるかやらないかだけです。
後天的にいつからでも習得することができます。
もちろん世の中には特に準備をしなくともこのような論理的思考が自然とできてしまう人はいます。
しかし、そうでない人でも考え方のコツを掴んで、それらしい数字を出すための材料となる身の回りにある数をインプットさえしておけばできます。
この思考プロセスからアウトプットを生み出すことはそれほど難しいことではありません。
その方法としてベストなのが、本書にあるような問題に対して自分で頭を使い、手を動かして実際に解いてみることです。
この手の本は一回読んだだけでできる気になってしまうものですが、紙とペンを持ってやってみようとすると案外上手くいかないものです。
できてないことを自覚してから愚直に練習することをおすすめします。
その際は是非制限時間を決めて問題に取り組んでみてください。
また、一度解いた問題についても時間をおいてからもう一度取り組むことで自分の中に解き方のパターンが増えていきます。
そのような作業をゴリゴリ継続していると、結果的に幅広い問題に応用ができるようになります。
まとめ
「外資系コンサルの面接試験問題」というと仰々しく聞こえますが、頭の体操だと思って気軽にチャレンジをしてみてください。
この本を通じて得られる考え方はビジネスにおいては非常に重要で、誰しもが身に付けておいて損はないものです。
通勤時間などを利用して一日一問、繰り返し取り組むことでビジネスマンとしての地力が間違いなく上がります。