私は26歳からアメリカに約2年間留学しており、その間病院には絶対にお世話にならないと心に決めていました。
理由は勿論、言葉を完全には理解できない異国の地で診察を受けることがとても不安に思えたからです。
しかし、やはり2年以上も滞在すると病院に行かざるを得ない状況になることもありました。
色々大変な思いをしましたが、結果現地での病院のかかり方について学ぶこともあったので、今回は私のアメリカでの通院体験をシェアします。
- アメリカでの病院のかかり方が知りたい
- アメリカで病院に行く必要があり不安に感じている
- アメリカでの通院体験がどんなものか気になる
アメリカの病院のかかり方&知っておくべきこと
私の初めてのアメリカの病院体験は2015年の秋のことでした。
右腿内側にできた虫刺さされのようなプチっとした傷がどんどん腫れ、膿がたまって固くなり激痛で歩くのもままならなかったため、流石に病院に行きました。
さすがの自然治癒派の自分も観念したのです。
アメリカの病院なんて信じられない!と思っていましたし、大切な身体について英語で話さなければならないので、本当に行きたくありませんでした...。
しかし、結果としてはこの出来事で初めて知ることも多く、アメリカで生きていく上での良い経験になりました。
以下、私が自分の体験からアメリカの病院について学んだこと=知っておくべきことを記載します。
①基本はアポイントメント
アメリカでは病院にかかるとき、基本的にはお医者さんとの面会のアポイントメントをとってから行きます。
待ち状況によっては、かなり先の約束となることもあるので、早めに連絡をしたほうがよいです。
当時意を決して電話をしたのが土曜日の午前中だったので、週明け、できれば早く予約とれないかなーと思いながら電話をしたところ、
コールセンターの人
と言われたことから、私はアポイントメントでなく、Urgent Careなるもので対応をしてもらうことになりました。
(Urgent Careについては、その時はじめてその存在を知りました。)
②緊急対応の種類:Urgent CareとEmergency Department
Urgent Careとは、「それほど大したことはないけど、すぐに見てもらいたい」ケガや治療を必要とする状態のときに対応をしてもらえるところです。
自分が電話したVirginia Masonという病院は、留学先であったシアトルでは結構大きな病院でした。
周辺地域に10カ所ほど施設がありましたが、全ての場所でUrgent Careの対応ができるわけではありません。
自分は車を持っていなかったため、バスを乗り継いで約2時間かけてUrgent Careが受けられる場所に行きました。
土日も開いていたので、非常に助かりました。
(ちなみにVirginia Masonにこだわる必要はなく、家の近くにも別の病院のUrgent Careがあったことを後日知ります。)
一方Emergency Department (Care)とは、命に関わるような重大な事故やケガの対応が行われる場所で、救急車レベルの時に受けるサービスです。
基本的に24時間365日対応可能で、こちらこそ絶対にお世話になりたくありません...。
③日本人医師・日本語通訳の有無
地域にもよると思いますが、日本人医師に対応してもらうという選択肢も大いにあり得ます。
私の場合もまず、ネットで「シアトル 日本人医師」という検索から始めました。
シアトルは日本人も割といる地域だと思っていため、そこそこヒットすると予想していたのですが、自分が住んでいる近くにはなかなかいませんでした。
とりあえず、ローカルの先生で適当な人を見つけて(それがVirginia Masonの先生の一人でした)、電話をしました。
ネットの情報ではコールセンターで日本語対応可と出ていましたが、実際には日本語ができる人はいませんでした。
そして上で述べた通り、そこでUrgent Careを案内されました。
コールセンターのお姉さんがそこに日本語通訳はいると言っていましたが、結局自分が行ったUrgent Careにも通訳はおらず。
どちらも土曜日だったことが関係あるかもしれません。
いずれにせよ、日本人でアメリカで開業医をしている人は少なくはないと思います。
また、大きな病院なら日本人医師や通訳が在籍する確率は高いと思うので、初めはそちらに頼るのが安心かと思います。
④基本的な流れ
初めてのアメリカの病院でドキドキしながら対応を受けた訳ですが、基本的な流れは日本と一緒だったのでホッとしました。
初診ということで、住所名前など基本情報・健康状態・今日来た理由などを一通り紙に書いて診察を待ちます。
受付の女性
カンホン
受付の女性
結果的にはちゃんと全額保険負担で済みました。
そして診察・治療が終わった後、
受付の女性
カンホン
受付の女性
カンホン
受付の女性がパソコンでカチカチッとしてお薬の手配が完了。
病院から保険会社に直接請求が行くため、特にその場で払うものはなくそのまま退出しました。
アメリカでの初治療体験
どんよりしたシアトルの天気の中向かったVirginia Mason
以下、私が受けた治療体験について共有します。
先生はインド風で、日本好きな良い人
私が行ったVirginia Masonで対応してくれた先生は頭にターバンを巻いた方で、彼の名前とアクセント的にも明らかにインドの方でした。
先生
カンホン
(先生が、自分の右腿の状態を少し観察したあと)
先生
カンホン
先生
そして、人生で久しぶりの麻酔&切開。
当時27歳でしたが、その年になっても、いやなるから?か、痛みに弱い弱い...。
注射は先生の表現通りburning...。
そして皮膚を切って膿をごりごり出しました。
ちなみに膿はpusって言うらしいです。
先生のおかげで勉強になりました。
でもあれ?切った後で縫わない...。
アシスタントの女性が変な細い布を綿棒みたいなもので、痛々しい傷口に埋め込み始めます。
アシスタントの女性
カンホン
とりあえず、それが魔法の布だと信じることにしました。
病院で渡された魔法の布セット
ちなみにこれがガーゼドレーンという方法だと知ったのは後日でした。
疑ってごめんなさい。
ちなみに、アメリカの病院で英語でやりとりするのがやっぱり不安、という方はこれ一冊持っていると良いかと思います。
処方箋をゲットして長旅が終了
薬の受け取りを病院近くのコストコにしてもらったのですが、アメリカ人の「近い」の前提は車であることを、病院を出た後に気がつきます。
バス&徒歩で約40分くらいかけて、命の薬を受け取りに向かい、麻酔も切れてきて痛む中、足を引きずりながらなんとか到着。
予定していた処方箋を受け取りました。
コストコの中の薬局
受け取る際に、
受付の女性
と言われた時、なぜか涙が出そうになりました。
コストコの薬局で手に入れた命の薬
この日私はバナナをリュックに入れてきていましたが、これは大正解で、胃にバナナを入れてからすぐに薬を飲みました。
結局、朝10時に家を出て帰ってきたのは18時前。
私の長い一日が終わりました...。
まとめ
以上、本日は私のアメリカでの通院体験についてのシェアでした。
この日の出来事はアメリカでの一つの貴重な経験になったのは間違いなく、ある意味結果オーライでした。
というのも、この約一ヶ月後にさらに深刻な体の異変のために、今度は大きな病院に行くことになったのです...。
この話はきっとまたそのうちに。
異国の地で医者にかかることは初めはかなり勇気のいることかと思いますが、ちょっとヤバいかなと思ったら早めに動くことをおすすめします。
アメリカの場合基本はアポイントメントですが、今回ご紹介したUrgent Careという対応もあります。
頭の片隅にでも入れていただき、アメリカで「もしも」が起こった場合はお近くで治療が受けられる場所を探してみてください。
最後に、アメリカでの病院・医者のかかり方についてさらに詳細に知りたい方は以下の本がおすすめです。