英語を真剣に勉強し始めた大学生のころから今まで、教材レベルは違えど私が唯一ずっと続けている勉強法がシャドーイングです。
自分自身今までの英語学習の中で最も効果を感じた方法の1つであり、英語を勉強している人にはどなたにも是非おすすめしたい学習法です。
私はシャドーイングと英語小説の多読メインの勉強のおかげで、大学学部時代にTOEIC800点を超えることができました。
今回はそんな私のシャドーイング体験&やり方についてシェアします。
- 効果的なシャドーイングの方法が知りたい
- TOEICで高得点取得を目指している
- リスニング力・スピーキング力を効率的に伸ばしたい
そもそもシャドーイングとは?
シャドーイングとは、耳から聞いた英語をその名の通り影のごとく追いかけて口から発していくトレーニングです。
期待される効果としては、一般的に以下のようなものがあります。
- リスニング力の向上
- 発音の上達
- スピーキングの表現力向上
簡単なように思えてとても難しいトレーニングなのですが、苦しみながらも続けた暁には、必ず驚くような効果が得られます。
この学習方法の一番のメリットは、音声教材となるものさえあれば、いつでも・どこでも・隙間時間でもできることです。
例えば、毎朝毎晩の通勤や通学の道のりの5~10分であっても、それをコツコツと続けて積み重ねれば必ず力がつきます。
純ドメの大学時代のシャドーイング体験
シャドーイングとの出会い
私は学部生時代に純ドメでTOEIC870点まで到達しましたが、これは全て英語小説の多読とシャドーイングのおかげだったと思っています。

私がシャドーイングを取り入れたのは、大学4年生も秋頃になって、最後に英語をもう一度頑張ってみるかと決意した時でした。
シャドーイングを知ったのは、英語のできる友達に勧められたことがきっかけです。
その時の私は「やつが言っているのだから間違いない!」と思い、数ヶ月後に予定していたTOEICに向けて愚直にその教えを実行したのでした。
「速読速聴シリーズ」を使ったシャドーイング
シャドーイング専用の教材も売っていますが、当時自分が使ったのは、シャドーイングが目的ではない音声CD付きの英語の参考書でした。
具体的にはZ会の速読速聴シリーズのCoreとAdvancedの2冊を何度も繰り返し使いました。
なぜこの2つを選んだかというと、もともとは大学受験時代に購入して挫折したAdvancedが家でホコリまみれになっていたのを発見したからでした。
「適度な長文の長さで音声も全部あるしちょうど良さそうだから使うか」という程度の理由で使い始めました。
しかし結果的に良かったことは、この速読速聴シリーズがTOEICのリスニングより「ちょっと速い」くらいのスピードだったことだと思います。
なので、TOEIC本番では英語の聞き取りにかなりの自信が持てました。
そして単語帳を教材として選び、繰り返し使い込んだことで、そのメインの内容であるボキャブラリーをほぼ完璧にマスターしました。
特に当時Advancedにまで踏み込めたことで、TOEICに出てくるレベルの単語はほぼカバーできるようになりました。
シャドーイング教材を何にするか迷っている方は、とりあえずこの速読・速聴シリーズを買っておけば間違いないです。
来る日も来る日もぼそぼそ言い続ける
さらっと「何度も繰り返し使った」と言いましたが、正直毎日悪戦苦闘していました。
とくにAdvancedだと始めは分からない単語も多いので、先に内容を把握していないとまったくついていけません。
ちなみにシャドーイングの方法としては、以下の二つのやり方があると考えています。
- 先にテキストで教材の内容をおさえる方法
- 内容把握を音声のみに頼って頑張って追いかける方法
詳細は後ほど解説しますが、自分としてはこの時②の方法でシャドーイングに取り組み始めたので、最初は毎日念仏を唱えているような感覚でした。
しかしやはり頭と身体は慣れるもので、同じ英文の回を重ねる毎にだんだんと聞き取れて、追って発音できるようになってきます。
私は当時、毎日の家から駅までの約10分の往復の時間にiPodに入れた音声でシャドーイングを行っていました。
トータルの学習量は以下のような感じです。
- 1日10分×2往復、速読速聴1冊の音声の長さが90分だとすると、4~5日くらいで1冊終了
- それをCoreとAdvancedの2冊なので、約10日で1周終了
- 3~4ヶ月毎日続けていたので、計10周以上
上記の結果、リスニング力とボキャブラリーが劇的に向上し、英語小説多読の効果もあって、TOEIC870点に到達しました。
ここで私が改めて思うことは、シャドーイングは教材のレベルさえ変えれば、初心者〜上級者までどのレベルの学習者でも効果があるということです。
英語初心者は中学参考書レベルの音声教材を使ってもいいと思います。
一方、上級者はこういった学習参考書の類いではなく、ネットから入手できるもっと速い生の音声を使って学習が可能です。
(速度変換アプリを使う手もあります。)
要はこの発想さえあれば、いくらでも応用ができます。
ちなみに現在の私の主なシャドーイング教材は、海外のラジオ番組とドラマです。
海外ドラマを見る時も、人さえ周りにいなければ割と大声でセリフのマネをしています。
以下の記事でもシャドーイングで使えるツール・教材を紹介していますのでご参照ください。

シャドーイングの二つのやり方を解説
事前準備:シャドーイングの前段階
英語を発することに慣れていない人には、英語音声を聞きながら重ねて声を出してテキストを読み上げるトレーニングを前準備としておすすめします。
特に学習初期は、発音がわからない・音声と同じスピードで口を動かすことが難しいという問題があります。
そのため、この過程を通ることでシャドーイングへ移行がスムーズにいきます。
スクリプトがあるもので、何でもいいので、シャドーイング用に用意した教材を使います。
英語のリズムに慣れてきたら、テキストを見ずに音声を追いかけるシャドーイングに挑戦するのがおすすめです。
やり方①:先にテキストで教材の内容をおさえる方法
自分にとってレベルの高い英語をシャドーイングする場合、文章の内容や分からない語彙等は全て事前に確認してからやる方法がおすすめです。
この方法でも基本的にシャドーイングの恩恵は受けられますし、内容が把握できないストレスを減らすことで学習を継続しやすくなります。
ただ、自分が理解できる限られた情報からわからないことを推測するのも一つの立派な英語力です。
初回(or最初の数回)は事前に内容を把握することなしチャレンジしてみる等の工夫をすることで、学習効果をさらに高めることができます。
やり方②:内容把握を音声のみに頼って頑張って追いかける方法
この方法では、ネットの動画・音声でもテレビでも映画でも何でも、英語の音声全てが教材になり得ます。
スクリプトがないものも、とにかくシャドーイングします。
ゆくゆくはこの方法でトレーニングを続けることで、かなりのレベルまで英語力を高めることができます。
ただし学習の効率という点では、
- ある程度の回数聞いて聞き取れない
- 自分でリピートできない音がある
など感じる場合、スクリプトがあれば内容を確認して「理解した」としてしまうべきです。
そうすることで、また別の機会にその音に出会ったときにはしっかりと聞き取れるようになります。
(聞き取れない音はどう頑張っても聞き取れない時があります。)
まとめ
自分はアメリカで生活していた時、何気なくテレビを見るときでさえテレビの音声をシャドーイングをしていました。
これを習慣的に続けることで、耳口が鍛えられ、実際に自分が使える表現の幅もぐっと広がっていきます。
初級者から上級者まで、様々なレベルの英語学習者に効果がある勉強法がシャドーイングです。
興味がある方は是非この機会に挑戦してみてください。