私は自身のキャリアを日系大手金融のIT関連企業でスタートさせました。
その後、Web系の外資スタートアップ、外資系IT企業の日本法人、日系Web大手と様々な環境で仕事をしてきています。
今回は大手企業からベンチャー、日系・外資と、異なる環境で働いた私の経験から感じたそれぞれのメリット・デメリットのシェアです。
- 大手・ベンチャーそれぞれの仕事が気になる
- 日系・外資の雰囲気の違いが知りたい
- 今と全く違う環境での仕事に興味がある
私のキャリア履歴①:日系大企業グループ会社
私のキャリア概要
私はキャリアの始めを日系大手金融機関のIT関連会社でスタートさせました。
新卒から3年半働いた後、アメリカ留学のために退職しています。
総じて「そこそこで良い」と言う人には悪くない環境だったかと思います。
「日系大企業グループ会社」で働くメリット
一番大きなメリットとしては、日本において力のある大企業の名前が付いていることで人から信用を得やすいことでしょうか。
また、どこまで力を持ったグループ会社にもよりますが、少なくとも私が所属した企業では親会社ほどではないものの給与は安定していました。
また、キャリア開発にも力を入れていたため、仕事の満足度や自分の成長を感じられる環境だったと思います。
ある程度の待遇と仕事量で満足し、安定した生活を送っていきたいという人には良い勤め先になるかもしれません。
周囲の人については、野心のある人は少ない割に優秀な人は多かった印象です。
「日系大企業グループ会社」で働くデメリット
これもその企業のグループの中での立ち位置によりますが、どこまで言っても親会社の人間が上、子会社の人間が下という意識があり得ます。
私の周囲では諦めに近い感覚を持ちながら働いていた人も多かったです。
加えて同じ会社で長く働くことが美徳で、転職するやつは裏切り者というマインドが頭に刷り込まれていました。
なので、若いうちに違和感を気づかなかった人たちが歳をとって身動きができなくなるケースを多々見てきました。
「仕事は辛いもの」と信じ切っており、転職して自分の生活を変えようと勇気もないので鬱のような状態になっている人も多かったです。
私のキャリア履歴②:ベンチャー企業
私のキャリア概要
アメリカの大学院留学中の夏休みに3ヶ月日本に戻ってきた際、都内の外資系Webベンチャー企業でインターンをしていました。
私の他にはボスであるカントリーマネジャーが一人という最初の職とは全く異なる環境でしたが、非常に学びのある経験でした。
「ベンチャー企業」で働くメリット
何よりも先ずは、仕事を自分の手で創り出す感覚が感じられる事でしょうか。
大企業で働くように、歯車の一つになりたくない人にはおすすめできるかと思います。
自分のボスである日本法人代表は、自分の思い通りに仕事を創り出していき、「仕事が楽しくて仕方ない」と常に言っていました。
私もインターンながら裁量のある仕事を任せていただき、大手出版社とコラボをして、世に出る作品を生み出すことができました。
自分の頑張った分だけ報酬としてダイレクトに跳ね返ることもベンチャーの魅力です。
それは金銭的な意味だけではなく、世の中を自分の手でよくしたいと思うからこそ得られる経験にあったと感じています。
仕事のスピード感や学べるスキルも大企業の商売では決して身につかなかったもので、あの体験があってこその今だと思っています。
「ベンチャー企業」で働くデメリット
自分が仕事を作り出さない限り仕事がないというのは、スタートアップの面白さとも捉えられる反面非常に恐ろしいことでもあります。
これをデメリットとするかは自分次第ですが、それは時に人からプラスに受け取ってもらえないことがあるのは事実です。
自分がトップをやっていれば特に、どれだけサラリーマンが楽で社会的信用があるかということを実感するでしょう。
また、単純に小さい会社=大企業より下という認識がまだまだ残る日本では、「ベンチャー企業勤務」の肩書きが不利に働くことも十分あり得ます。
私のキャリア履歴③:外資系企業日本支社
私のキャリア概要
アメリカの大学院留学後、私は外資IT系ファームの日本オフィスに入社しました。
グルーバルでは非常に大きな会社でしたが、日本オフィスが立ち上がってから時間もあまり経っておらず、結構カオスな雰囲気でした。
「外資系企業日本支社」で働くメリット
誰も自分がその会社で一生過ごすと思っておらず、常に自身のキャリアをどう構築していくかを考え働いている優秀な人が多かったです。
そんな人たちに囲まれる事で自分の成長が促進されるという点が、そこで働く一番のメリットだと感じました。
またその会社を辞めたとしてもそこで出会った仲間がそれぞれの道で活躍をしており、その話を聴けるだけでも刺激的です。
そのような自分の将来の助けになってくれるかもしれないコネクションができたのも非常に大きいです。
英語ができれば実戦で使う機会も多々あり、その後キャリアアップの道も大いに開けます。
昇進も年功序列でないのが一般的なので、基本的には実力次第ではいくらでも上にいける環境だと言えます。
「外資系企業日本支社」で働くデメリット
私の所属していた外資系企業では、ローカルでコントロールできないことや海外の承認手続きなども非常に多かったです。
そのため、スピード感を持って仕事ができないことが多々ありました。
また、これも企業によってかと思いますが、上に行けばいくほど自分の給与に対するパフォーマンス評価が厳しくなります。
マネジャー以上では、仕事振り次第ではクビという状況も容易にあり得ました。
会社の雰囲気に関しては、私が務めた外資系企業は非常にドライでしたので仕事以外での関わりはほとんどなかったです。
周囲で誰が辞めていたかも気がつかないほどで、同じ会社に所属=一緒に仕事をする仲間という感覚はなかったと思います。
私のキャリア履歴④:日系大企業本社
私のキャリア概要
外資系ファームで約1年半ほど働いた後に、日系の大手Web企業に転職をしました。
米国留学中にマーケティングを専攻しており、卒業後の職探しはその方面を検討していたものの叶わなかったため、30歳手間に再挑戦をしました。
「日系大企業本社」で働くメリット
なかなか一口では言えませんが、基本的にクビにはならないと思います(これはデメリットでもあります)。
企業の名前を言えば多くの人から「おー」となるので、信用や安定は確かに得られるかもしれません。
また、日本本社で海外にビジネスを展開しているところでは特に、対世界の感覚で仕事ができるのは大きな魅力かと思います。
それは外資系の日本支社で働くのとは全く違うグローバル経験です。
もう少し詳細に言えば、
- 外資企業のローカルで海外支社と連携しながら日本の顧客相手に仕事をする
- 日系企業に勤め自ら海外に道を切り拓いていく
といった立場では、同じ「グローバル」という括りでも、そのスケールやエキサイティング感は全く異なるものになるでしょう。
「日系大企業本社」で働くデメリット
このタイプの企業で働く一定の層の中では、死ぬまで同じ会社で働き続けるという考えがまだ一般的です。
なので、それに基づいた行動・言動を期待されることも会社によってはあるかもしれません。
加えて多くの場合そこそこ良い待遇で安定した暮らしができるので、仕事が面白くないのを我慢しても居続けるという状態を作り出しかねません。
出世競争にロマンを感じる人もいるかもしれませんが、ほとんど実力以上の運の要素が大きいラットレースで、そこに人生預けるのは危険です。
同期と比べた時の自分の順位に嘆いているよりは、自分が本当に楽しいと思う仕事ができているかを確認した方がいいかと思います。
まとめ
どんな組織も一長一短あります。
一番重要なことは、その中で「自分が満足できる仕事ができているかどうか」ということです。
もちろん心と体を満たす最低限の収入は生きていく上で必要不可欠のものです。
しかし、それだけに捕らわれていると人生の大部分を費やす仕事を苦痛に変えていまいかねません。
確かに自分も「あの時この選択をしていれば短期的には今より給料はもらっていただろうな」と思う時もありました。
一方、自分のモチベーションを高められる道を選択してきたことで、結果的にはベストだったかもしれないと納得しています。
最後に自分の本心を言うと、人生は何度でも失敗OKな壮大な実験なので、「色々試して失敗すればいいじゃん」と思っています。
もし「大企業かスタートアップか」といったよくある二択に自身が出くわすことがあれば、可能な限り是非両方試して評価をしてみて欲しいと思います。