私は2014年末から約2年間アメリカのシアトルに留学をしていました。
目的は大学院で経営学を学ぶための留学で、俗に言うMBA留学でした。
(実際に注力していたことは結果的に違う方向に行きましたが...。)
ただし、多くの人が知っているような有名校では全くありません。
- とりあえず学費を抑えたかった
- 準備にも時間・費用をかけ過ぎたくなかった
- で、アメリカでも安い部類の学校(マイナーな学校)に行った
というのが実際です。
あまり情報のない非有名校へMBA留学をしたという点で参考になる人もいるかと思ったので、今回その概要・体験をシェアします。
- 海外MBA有名校に行かないケースに興味がある
- その後のキャリアに役立ったのか知りたい
- MBAに行く意味があるのか考えている
目次
私のマイナーMBA留学の経緯&概要「費用はトップスクールの半分以下」
私がアメリカに留学したのは26歳の時でした。
「とりあえず日本でくすぶっていたので」というのが、まず正直に私の一番の留学の理由です。
一番初めに留学を検討していた時は、金銭面の問題から費用の安い田舎の小さな州立大学の学士に進もうと考え準備を進めていました。
しかし後に金銭面でサポートを得られることになったため、エージェントの勧めで大学院2年間という選択肢を選ぶことにしました。
(もちろんエージェントはMBA専門のお高いようなところではありません。)
なぜMBAにしたのかというと、その時は海外での経験を得ることが目的で、専門的にコレといったような学びたい分野がなかったからです。
適当に専門分野を選んであとで後悔するかもしれないと思ったので、なるべくジェネラルな分野を選んだというのが理由です。
なので、もともとMBAに憧れていたというようなことは全くありません。
(私はとりあえず留学に行きたかったのです。)
もともとMBAが目的だとしたら私は自分の学校を選ばず、多くの方がそうするように時間とお金をかけてトップ校を目指したと思います。
一方私が通ったMBAプログラムはオンライン学習が半分ほど含まれるカリキュラムで、2年間で学費はトータルで約400万ほどでした。
その費用の安さが私がその学校を選んだ大きな決め手になりました。
※アメリカのトップスクールに行くとしたらその2倍、3倍はかかってくると思います。
「そんなとこも行って意味ない」と批判を受けそうですが、GMATも提出必須でなし、入学要件は成績通知やエッセイ、英語力の証明くらいでした。
以下詳細を記載するので「逆にそんなところへ行った人の話も聞きたい」と言う人の参考になれば幸いでです。
安さ重視のMBA留学の実際「キャリア面で役に立ったか?」
率直に答えを言うと、Yesです。
それはその学校がどうのと言うよりは、自分が留学期間中120%考えて行動し、努力をしたからです。
以下、少し具体的に見ていきます。
授業&先生
授業のスタイルはビジネスケースを使うMBAのイメージ通りの授業もありましたし、講義中心の授業もありました。
正直最初は英語ができないという理由で付いていくのが辛かったです。
MBAはとんでもなくハードだという話を良く聞くかと思いますが、その理由のほとんどはハッキリ言って英語だと思います。
理解半分、発言力半分ではそりゃキツイに決まっています。
白人ネイティブのチームメイトが何を言っているのか全くわからず最初のクオーターを終えたのは、今ではほろ苦くも良い思い出です。
どこの学校でもそうだと思いますが、授業で扱う知識レベルとしては学部レベルのものなので、それ自体は難しいということはありません。
広く浅く、どんどん進んでいく感じです。
先生については、現地有名企業で働きながら教えているパートタイムもいれば、アカデミックの道を進んでいる人も両方いました。
総じてやる気のある生徒に対してのケアは非常に厚かったので、先生については満足しています。
学生のレベル
おそらく学費≒ランクであるアメリカ教育の質を左右するのがここです。
MBAにおいても他の学生からの学びはそのリターンの大部分を占めるものです。
現地の学生についてはマイクロソフトやボーイング、アマゾンなど有名企業に働きながら通う人が多く、彼等からの学びは非常にありました。
が、全体的な学生のレベルは正直マチマチで、特に留学生は抜群に優秀な学生もいる一方、「コイツ大丈夫か?」という人も一定数いました。
もちろん、そのような学生のグループとはなるべく距離を置き、自分の学びの質を高めるように努めていました。
ちなみに同じシアトル地域にはワシントン大学(University of Washington / UW)があり、UWのMBAにはトップのタレントが世界中から集まっています。
なので、自分の大学では近くのUWの学生と比べて自らを卑下するような学生もいました。
しかし、私の大学はコスト面やフレキシブルな授業スケジュールなど自分の生活・ペースに合わせて学べるというメリットが確実にあります。
「UWではなくこっち」という意義をしっかり感じて来ている学生もローカルを中心にたくさんいました。
また、留学生でも優秀な子たちはしっかりとアマゾンなどの有名企業に入社していきました。
結論を言うと、優秀な人もいればやばい奴もいるので、関わる人をしっかり選べば有意義に過ごすことができると思いました。
就活においてのインパクト
もちろんアメリカでのネームバリューという意味では弱いです。
聞いただけで「スゲー!」とは絶対になりません。
が、私のように日本で就職を検討していた身にとっては、日本ではトップ校以外は皆結局大した違いがわからないことは想定内でした。
なので大概の企業のエントリーで弾かれることはありませんでしたし、その後外資系・有名企業の内定に結びつけています。
また、私としては学位自体よりも、100%英語でバックグラウンドの異なるメンバーと共に協業し苦労した経験が大きな財産になっています。
それがあったことで、日本の就活においては確実にプラスだったと言えます。
非トップスクールのMBA留学では英語力をより意識して磨くことは必須
私のようにトップ校に行かない場合には特に要注意の事項です。
私を含め純ジャパとして育ったほとんどの日本人にとっては、留学当初、英語には本当に苦労します。
TOFELで100点とったとしても、ネイティブとの会話についていくことは最初は本当に厳しいです。
そして、海外の大学院で学んでいるという事実だけでは、思ったように英語力は伸びません。
ちょっとした会話もできず相手にされない日々に悶々となり、初めは本当に鬱な気持ちになります。
そこで逆に「自分が話せるレベルの留学生」とつるむことに落ち着いてしまうと妙に安心してしまい、そのレベルから脱出できなくなります。
なので、苦痛でも頑張ってネイティブにアタックし続けることが重要になります。
私のように安めの非有名校にいく人はなおさらで、トップの大学に比べて留学生の英語要件が低いことは自分の学びにとってデメリットになります。
そして、海外MBAに2年間行って実は英語が大してできない人がいるというのは実は「あるある」です。
企業もそれをわかってきているので英語インタビューでもちろん試されます。
留学期間中にしっかりと勉強し、実際の仕事でのプロジェクトリードに耐えられるだけの英語力を身に着けることは必須です。

ちなみに余談ですが、以前働いていた外資系企業で某超有名校MBA卒の方達がいましたが、彼等の英語が逆の意味で衝撃的でした。
名も無いMBAで四苦八苦していた私からすると、「それでどうやって超優秀なネイティブたちとの議論を切り抜けてきたのか?」と不思議になりました。
海外にまで行くからには、「さすがだね」と言われるくらいになるよう意識して英語力は磨き続けることをおすすめします。
まとめ
私としては今の人生が留学をした2年間なしでは考えられないものになっていますし、かけたお金相当のリターンも現在得られていると思います。
一方、海外に行って良かったと聞かれればYesと答えますが、MBAである必要があったかと言えばおそらくNoになります。
例えば、今後の需要を考えれば、アメリカでコンピュータサイエンス等STEM系の学問を学ぶ方がチャンスは圧倒的にあると思います。
またMBAの知識そのもので言えば、ネットでいくらでも手に入ります。
結局は本人の目的次第で、私のように必ずしもランキング上位校に行かなくても、自分の頑張り次第でそこそこ面白い人生を歩むこともできます。
ご自身のニーズや状況に合わせて最適な道を探してもらえれば良いかと思います。
今回の私のケースについては、その選択肢の一つとして参考にしてもらえれば幸いです。